2011年1月12日水曜日

王道と 覇道

諸子百家(しょしひゃっか)とは、中国の春秋戦国時代に現れた学者・学派の総称。「諸子」はもろもろの学者を、「百家」は多くの学派を意味する。
秦の始皇帝が六国を併せて中国を統一すると、法家思想を尊んでそれ以外の自由な思想活動を禁止し、焚書(ふんしょ)坑儒を起こした。

王道と 覇道
儒家(孔孟思想)によって理想とされた国家観は、聖人君子が王となりその徳をもって世を治めるというものであった。
これを王道と呼び、それを遂行するものを王者と呼んだ。
これに対し、武力や策略で諸侯を従えて天下を治めることを覇道と呼び、それを遂行する者を覇者と呼んだ。

春秋戦国時代を制し中国を統一したのが秦の始皇帝であり、その始皇帝が取り入れた思想が法家であった。
法家の思想の大家が韓非である。
韓非は性悪論の立場から、法による統治を主張する。
しかし、その法儒家の主張するような天の理法を人の世に表すという天の道理に沿った法ではなく、
力者がいかに権力を扱いそれを保持するかという人為的な法であった。
って韓非の思想は、その権力をいかに保持し拡大するかという覇権主義者に利用されるようになる。
韓非の思想に感銘を受け法家思想による君主独裁の帝国を打ち立てたのが秦の始皇帝であった
韓非の思想は儒家の敬天思想、徳治主義への批判と性説=人間不信というものが根底にある。
権謀術数によって権力を奪い合う覇道の道において韓非の思想は非常に説得力があり魅力的に見えたに違いない。
しかし、天を敬うことを忘れ、人と人が信じあい和合する精神の失われた国が長続きする
道理はないであろう。 

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